ザ・オープン・ドア』で他に際立った曲をあげてみると、麻痺以上の感覚を受けいれる「リチウム」、バンド生活に捧げる歌「オール・ザット・アイム・リヴィング・フォー」、若いファンの期待に応えるエイミーの賛辞「ウエイト・オブ・ワールド」、ストリングスとコーラスがフィーチャーされたラストナンバーは本当の意味でバンドにとって初めての「満たされた」歌(「こんな風にアルバムがエンディングを迎えるのを心地よく感じる」エイミー談)として提示された「グッド・イナフ」、

『フォールン』のリリース後、たった1カ月だけオフをとってからは、1年半の間ワールドツアーを続けたエヴァネッセンスは世界中のキーマーケットを取りこぼすことなく廻りヒットを続けました。

10月3日の『ザ・オープン・ドア』リリース後、大きいアリーナショー規模を廻る前に、ライブを待ち焦がれた熱狂的ファンに報いるべく小さな箱のホールをメインにカナダを皮切りに米国ツアーを始めます。

アーカンソー州リトルロックから進化したサウンドでのし上がった、ロック、ゴス、クラシックとの間に神秘的なマッチングの成立。不思議な二元性によって生み出されたことを書き留めておこう。

クラシック・ピアノを9年学んだエイミーはこう語る「私が高校生の時は、私はたくさんのデスメタルバンドを聴き込んだわ。ロック、クラシックともに両方のジャンルが劇的に複雑で、複雑なタイプの音楽だと思うわ。そして私はそれらに自然と惹かれるのよね。」

ワインド・アップ・レコードでメジャーデビューするまでに、 エヴァネッセンスは2枚の『EP』とアルバム『オリジン』を自主製作でリリースしています。

メジャーデビュー作となった『フォールン』は2003年4月にリリースされ、商業的成功を遂げました。

世界的ヒットを飛ばしTOP10シングルとなった『ブリング・ミー・トゥー・ライフ』、『マイ・イモータル』は多くのラジオで流れ、ついに2003年グラミー賞2部門「最優秀新人賞」「最優秀ハードロック・パフォーマンス賞」を勝ち取った。

『フォールン』は世界中で1400万枚のセールスを記録し、ビルボードのトップ200チャートに100週間以上ランクイン、35以上の国でゴールド・ディスクあるいはプラチナ・ディスクとなった。

2004年にはライブCD&DVDアルバム『エニウエア・バット・ホーム』をリリースし、2006年9月現在までに、1000万枚のセールスを記録しています。

エヴァネッセンスの音楽には固有のドラマがある。一種の音の冒険旅行、それはピアノのリード内省からハンマリング・ギターへの急旋回、どんな楽曲でも聞き手に共感をもたらします。

バンドの攻撃的な核はエイミーの熱烈なボーカルであり、自分自身、願望、希望、愛情、失望との感情と戦いをまさぐっているオーディエンスと対峙し、繋がりを生む歌詞。
『ザ・オープン・ドア』は、いろいろな意味でほんの少し前に音楽世界の上に確固たるポジションを作り出したバンドが壮大なるスケール、スピードで論理的に変身を遂げた姿そのものです。

つづき…

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